平井 悠誠
神奈川県立麻生高等学校出身
フィールドワークに必要な知識や調査方法、保守安全のための準備や危険予測、事故発生時の対処法などを1年次で学びます。
食品工場や商業施設で問題となる害虫の基本的な生態や防除方法について、実際の生物標本を観察しながら学びます。
微生物を使って、環境中に含まれる化学物質の毒性・発がん性の有無を調べる手法を学びます。
大気や水を汚染し、ヒトや野生生物に悪影響を及ぼす代表的な物質のサンプリング法、測定法を学びます。
環境科学科では、実験室での実習だけでなく、野生動物や植物のフィールドワーク実習も行っています。山地・緑地・河川など多様な環境でフィールド調査を行うことにより、五感を通して自然を体感し、生物多様性についての理解を深めます。動植物の調査だけでなく、水や大気、土壌環境の評価にいたるまで、全国各地で行われるさまざまな実習を通して、実践的な知識とスキルが身につきます。
企業や行政と協働して、環境課題の解決に取り組むPBL型学習(プロジェクト型学習/問題解決型学習)を行っています。学生は、チームでデータ収集やディスカッションを行い、実社会の環境課題を発見・把握する能力と課題解決に取り組む実践力を養います。
(株)JR東日本環境アクセスとの取り組みでは、駅や列車から排出されるゴミの課題を知り、廃棄物の回収・処理、再資源化の重要性を学びました。アサヒグループHD(株)とウォータースタンド(株)との取り組みでは、植物由来のエコカップ「森のタンブラー」*やウォーターサーバーを活用し、プラごみの削減をめざしました。
*アサヒユウアスとパナソニックが共同開発
周期表中のほとんどの元素を分析することができる、高感度な装置です。試料中の極微量な無機元素を50元素以上も同時に分析し、正確に測定できます。プラズマによってイオン化した試料中の元素を質量分析計に導入し、定量します。
試料中の化合物を気化させてカラムに導入することで分離し、定量することができます。目的物質により、3種の異なる検出器を備えたガスクロマトグラフを使用します。実習では、水中のトリハロメタンなどを測定しています。
2021年に「生命・環境科学部分析センター」が設置されました。ここでは高度な分析機器や医療用検査機器が集中管理されており、実習や研究活動などに活用しています。例えば、3年次の「環境計量分析学実習」では、ICP-MSという分析機器を用い、河川水に含まれる微量元素の分析を行います。微量元素や有害元素の分析値を環境基準と比較することで、河川の汚染状況の有無を調べました。
大教室で講義を受け、そこで吸収した知識を定着させるために、実験室で実習や演習を行い、理解を深める――これが、私が高校生のころ抱いていた大学に対するイメージでした。その一方で、私は教室や実験室だけでなく、実社会の実情や現場についても大学で学んでみたいと思っていました。現場に対する旺盛な好奇心があった私は、1年生の時に新たな教育プログラムが始まると聞き、期待感が高まりました。実社会の環境課題に対して実践的に取り組み、社会に必要とされるスキルを高めるといったその内容に、大きな魅力を感じました。
早速参加したのが、アサヒビール(株)と提携*したプロジェクト「一杯からはじめよう! 脱・使い捨てAction」です。現在でもその活動は続いていますが、私の予想をはるかに超え、本プロジェクトではさまざまなことに挑戦できました。数々の企画提案も行い、自分の考えやアイデアを積極的に伝える姿勢が身につきました。また、それまでは人前に立つことがあまり得意ではありませんでしたが、大勢の前で話す自信もつきました。
*現在はアサヒグループHD(株)との提携を継続
2年次の「環境フィールドスタディ」も非常に印象に残るものでした。企業や行政と協働する「PBL型学習(プロジェクト型学習/問題解決型学習)」に興味を持ち、この授業を選択しました。この授業では、自己学習とグループ学習を繰り返しながら、企業が抱える課題を調査・分析し、論点を整理して解決策を考え、最終的には企業にプレゼンテーションを行います。
私たちは、まず(株)JR東日本環境アクセスの本社を訪問しました。実際にヒアリングするまでは全く想像もつかなかった課題を知り、各グループで解決策を見いだすことにしました。次にJR横浜駅も見学し、貴重な現場の声から、企業が抱える課題を深く考えさせられました。企業が抱えるリアルな課題について、学生一人ひとりが現実的かつ効果的な対応策を練りました。各自が自主的に取り組むことで、大きな成長に繋がる実践的な授業だったと思います。
実践的な授業以外に、さまざまな課外活動も大変勉強になりました。1年次は、大学の先生と学生によるプロジェクト学習「親と子の自然環境セミナー」に参加しました。このセミナーは、環境科学科を中心に本学が取り組んでいる「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する活動の一環でした。この体験を通して環境の素晴らしさ、大切さを改めて感じました。
SDGs関連の課外活動では、2年次に参加した「SDGs未来グリーンマップ」活用イベントもあります。これは、地域が抱える課題とSDGsの17の目標を照らし合わせマップで表現するという取り組みで、「SDGsに興味はあるけれど、何から始めたらよいかわからない」という声に応えることが目的です。この取り組みの出発点は、本学のキャンパスがある相模原市内の一地区「青根」に住む方々と共に制作したマップにあります。そのマップ制作に関わったメンバー16人が、鹿児島県の奄美大島で、新たなSDGsマップを作成しました。奄美に生息する色鮮やかな野鳥は、地域住民にとっては当たり前の存在でしたが、それが新たな観光資源になると提案したところ、感謝されました。このマップ制作に関する取り組みは、SDGsの達成に向けた独自のアイデアを競う「大学SDGs ACTION! AWARDS(朝日新聞社主催)」において、受賞実績があります。
大学内外でのたくさんの体験を通して、「実践力」を本学で養うことができました。社会に出るとさまざまな企画を立案し、推進し、目的を達成していくことが求められますが、その素養を身につけることができたと感じます。私がこれまで経験したこと以外にも、実に多くのチャンスが麻布大学にはあります。授業はもちろん、素晴らしい体験ができる課外活動にも事欠きません。大学生活をどう充実させるかは、自分次第です。麻布大学を志望するみなさんにも、大学生のうちにしかできない数多くのことを、ぜひ体験していただきたいと思います。
環境分析学研究室
サンゴや褐虫藻、海水に含まれる微量金属を分析し、分析化学の視点から、サンゴと褐虫藻の共生関係を解明する研究を行っています。
カリキュラムに資格取得の科目が充実
第一種衛生管理者をはじめとした、4つの環境系国家資格や理科教員免許など、数多くの資格取得が可能です。
生物季節観測プロジェクト
気候変動や生物多様性保全のための研究活動として、国立環境研究所と共同研究を開始しました。