麻布大学

Labo Diary Vol.002

美肌効果にも期待大な オメガ3系脂肪酸って? 生命・環境科学部 食品生命科学科 食品栄養学研究室 守口徹 先生




①悪いイメージにとらわれることなく 摂取しなくてはいけない「脂質」がある

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 「脂質」は食生活に欠かせない3大栄養素のひとつですが、「高カロリーで太る」「摂りすぎると体に良くない」といった一般のイメージから、摂取が控えられる傾向にありました。しかし、最近の脂質に関する研究によると、控えるべき油脂と積極的に摂取しなくてはならない油脂の2種類あることがわかってきました。

 さらに食品栄養学研究室の研究によれば、必須脂肪酸として最近マスコミなどでも注目されているオメガ3系脂肪酸は、積極的に摂取しなくてはならない油脂であるにもかかわらず、現代の食生活では摂取不足に陥りやすいことが確認されています。




②オメガ3系脂肪酸の欠乏が うつ病やキレやすさのリスクの一因に

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 そもそもオメガ3系脂肪酸は、亜麻仁油やえごま油のほか、魚に多く含まれる成分です。ところが90年代後半、日本の食卓では肉と魚を食べる頻度が逆転し、魚を食べる機会が減ったことが、摂取不足につながっていったと考えられています。そして、これが欠乏するとどうなるのか。

 現在のところ、胎児から新生児期の脳の成育に大きな影響を与えるだけでなく、青年や老年期の不安・うつ病の発症、集中力の低下やキレやすさ、認知機能の低下、母親の産後うつ発症などのリスクを高めることがわかっています。




③食生活を改善していくことで 体の内側から美肌になれる

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 また、オメガ3系脂肪酸は肌の潤いを維持することから美肌効果にも期待できます。これをテーマとした研究も進行中です。たとえば、オメガ3系脂肪酸を含むエサを与えたマウスに、長期間にわたって紫外線をあてることで、どの程度、日焼けを防げるのか実験している途中です。現段階ではシミやシワの予防がテーマになっていますが、将来的には、美肌の復活や改善を実証することが目標です。

 ちなみに、オメガ3系脂肪酸の摂取不足は解消するには、1か月の食事のうち30回を目安に魚を食べることが必要。サバの水煮缶なら1日1缶、イクラの軍艦なら4貫食べれば十分ですが、一般的に売られているツナ缶はあまり効果が期待できないようです。




④食品栄養学研究室では、ほかにもこんな研究に取り組んでいます。

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 新生児から周産期(妊娠期、授乳期)を含む成熟期、老年期といった、ライフステージに合わせた必須脂肪酸の必要性と機能性について研究しています。周産期や新生児期の脳機能にかかわる栄養研究は非常に重要ですが、ヒトでの試験は難しく、動物実験でも評価モデルは多くありません。

 そこで食品栄養学研究室では、妊娠動物や新生マウスの人工飼育を行うことで、それぞれのライフステージで必要とされる脂質や機能性を明らかにする研究に取り組んでいます。




食品栄養学研究室

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